税務コラム

2012.05.28

芦屋税理士経営情報「中小企業の借入打開策2」

打開の鍵は経営情報の開示

 このような借入れ環境が続けば中小企業の資金繰りに支障を

きたすため、政府は、日本政策金融公庫の「セーフティネット

貸付」や信用保証協会による「緊急保証制度」の利用枠拡大

などを行っています。

 しかしこの施策は、あくまで借入れ環境を下支えするための

一時的な措置です。この間に、中小企業は未来を見据えた

行動を起こす必要があります。自社の経営改善の他、金融

期間との関係性を見直す機会と捉えることも必要です。

 長期的にみれば、金融機関にとっても中小企業向け貸出し

が重要な市場であることは確かです。

 株式や債券の暴落により、有価証券による資金運用の危険

性が再認識され、このような金融商品の販売による手数料

収入もあまり期待できません。債権市場の収縮という、一時的

な状況下での大手企業への貸出しも、今後継続的に伸びが

期待できる分野ではありません。

 金融機関としても中小企業との関係をこれまで以上に強化

したいと考えています。

 こうした金融機関の事情を理解すれば、受け身ではなく、

中小企業自ら積極的に金融機関との関係を強化する姿勢が

必要と思われます。

 具体的な取組みとして、自社の業績や財務内容といった

経営情報を積極的に開示することです。経営情報をよく開示

している企業ほど、スムーズに借入れできるケースが多く

なっています。決算書や確定申告書を継続的に開示すること

は、情報の非対称性を緩和することに繋がります。希望どおり

に借入れをしたい企業側にも、中小企業向け貸出しを増やした

い金融機関側にもメリットがあるといえます。

 なお、財務内容を外部に示すとなると、経営者はより良い

業績を残したいと考えるだけでなく、収益を左右する様々な

数字に神経を使います。

 こうした中で、営業面での弱点や事業を運営する上での

非効率な部分に気付き、改善策を練ることにもなります。

また、経営を改善するための支援を金融機関から得られる

可能性もあります。

 金融機関としても、取引先が健全な経営状況を維持する

ことが望ましいと思っています。

 企業側から定期的に情報開示があったほうが、課題が

どこにあるのか、どんな助言や情報が必要かなどを的確に

把握できます。このようなことから、企業も金融機関を単なる

借入先と考えるだけでなく、経営指導やアドバイスを受ける

先と捉えることが大切です。